あれっ!もう二塁に…中日・阿部の盗塁をなぜカメラマンは追い切れなかったのか…

引用元:中日スポーツ
あれっ!もう二塁に…中日・阿部の盗塁をなぜカメラマンは追い切れなかったのか…

 写真には、カメラマンだけが知る「ドラマ」がある。撮影者に聞き、この一枚の裏側を掘り起こす。第4回は9月11日の中日―DeNA戦(横浜)。阿部寿樹内野手(30)が二盗を成功させた瞬間を、なぜカメラマンは追い切れなかったのか…。

ワンバウンドになる変化球を、打者は空振り。球は捕手・戸柱のすぐ前に転がったが、二塁送球すらできなかった。

 「僕たちはプレーを目で追うのはもちろんですが、同時に声や音を聞き、次に起こることを予測します。あのときもそうでした。すぐ近くの中日ベンチからも一斉に声が出て、あ、走ったのかと…」

 当日は三カメだった川北真三カメラマンは、いつものように声に反応。間に合うはずの二塁には、すでに阿部が達していた。記録は暴投ではなく盗塁。かといってスタートしたときに、たまたまワンバウンドになったのでもない。阿部もまた、球の軌道を予測して走ったのだ。

 高校野球ではおなじみの「ワンバンゴー」だが、捕球技術の高いプロでは刺されるリスクも高い。軌道の的確な判断とスタートする勇気。荒木走塁コーチが地道に練習を続け「今季中に1度決まればと思っていた。本当にうれしい」と目を細め、阿部は「ずっと行けてなかったので、良かったです」と喜んだ。

 カメラマンも選手も起こってからでは遅い。起こることを予測する。送球だけでなく、シャッターチャンスをも振り切った好走塁。勝負を分けるのは一瞬である。(渋谷真) 中日スポーツ