IT駆使で躍進!夏4強の武田 創部初の中国大会出場目指す 秋季広島県大会 19日開幕

 今夏、高校野球の広島県代替大会で創部初となる4強入りを果たした武田(東広島市)が、9月19日に開幕する秋季広島県大会でさらなる躍進を狙っている。岡崎雄介監督(39)は夏4強に「(コロナ禍で)他校の練習時間が短かったので」と控えめながらも、「打った投げた以外に精神面でも成長してくれた。勝つことで子どもたちは変わっていく」と確かな手応えをつかんだ。

 学校の方針で平日の練習時間がわずか50分と制約がある中、従来の高校野球の常識にとらわれない指導で、創部13年目ながら強豪校に肩を並べるところまで来た。フィジカル面では個々に合ったトレーニングメニューを組んだり、食事や体重の管理を徹底。投球や打撃のデータ収集が可能なラプソードを導入し、動画を使った練習にもいち早く取り組むなど最新のITも駆使しながら、短い練習時間をカバーしてきた。昨年のドラフトではエースの谷岡楓太投手がオリックスに育成指名され、同校初のプロ選手も誕生した。

 今年6月には、これまで2班だったチームを実力順に4班に分けた。週に1回、入れ替えを行い、部内での競争意識を高めたことでチーム全体の底上げにも成功した。「今の子はできないことには平気だが、最下位は抜け出したいと思っている。上ではなく、下のレベルを上げることがチーム全体のレベルアップにつながる」と岡崎監督は話す。

 今年のチームのスローガンは「関われ」。積極的に周囲とコミュニケーションを図っていくことを目指しているが、それは選手間にとどまらず、選手とコーチ陣との円滑なコミュニケーションも重視する。現在、コーチは8人おり、うち20代が5人。「コーチを育てるのも仕事」と岡崎監督は笑う。細かい指導はコーチに任せており、選手の入れ替えや練習メニューの立案などは各コーチからの報告を元に決める。

 予選を勝ち抜いた32校によって争われる広島県秋季大会では、武田は19日の1回戦で広島工大高と対戦する。今大会の目標は3位以内に入り、初の中国大会(開催地は島根)出場を果たすこと。部室の壁にも「島根に行こう!」と書かれた紙が張られている。今年は新型コロナ感染防止策で、例年より出場校が12校少ないため「チャンスだと思う」と指揮官。今夏を超える戦いでチームに新たな歴史を刻む。(デイリースポーツ・赤尾慶太)

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 岡崎監督が新チームのエースとして期待をかけるのが内野海斗投手(1年)だ。185センチの長身から力強い球を投げ込む右腕で、今夏の代替大会でも登板した。「角度のある真っすぐがいい。試合を通して伸びていくタイプだと思う」と指揮官。内野も「夏は登板できてうれしかったし、いい経験になった。真っすぐで押していって勝てるように頑張りたい」と意気込んだ。