限定1試合、戦法さまざま 思い交錯する甲子園―高校野球

引用元:時事通信
限定1試合、戦法さまざま 思い交錯する甲子園―高校野球

 10日に開幕した甲子園高校野球交流試合では、出場32校が1試合のみを戦う。前半の3日間では、例年春夏に開催されるトーナメント大会とはひと味違う戦い方が見られた。

 明豊(大分)は、県岐阜商(岐阜)に勝った一戦で、ベンチ入り20選手が全員出場した。四回以降に次々と選手を入れ替え、好投のエース若杉も七回までで交代。川崎監督は「皆で苦しんで乗り越えてきたので、それを体現したかった。何より優先すべきは勝負だが、1人でも多くと思ったらああいう形になった」と話した。

 新型コロナウイルスの影響で大会中止が相次ぎ、多くの学校が全体練習を一時自粛。先の見えない状況でも、選手らはひたむきに汗を流してきた。そんな努力が報われる舞台を、と願うのが間近で見てきた指導者の思いだろう。中京大中京(愛知)と、18人が出場した創成館(長崎)は、いずれもベンチ入り全選手を3年生でそろえた。

 もちろん勝負に徹する場面も随所にあった。昨秋の明治神宮大会覇者、中京大中京に挑んだ智弁学園(奈良)は、「1番強いチームに勝ちたい」(小坂監督)と意気込んだ。先発投手と4番に2年生を起用するベストの布陣で臨み、延長にもつれる熱戦を演じた。

 明徳義塾(高知)の馬淵監督は「次の試合のためにこの作戦は取らないでおこうとは考えない。逆に集中できる」と、限定1試合ならではの戦術を駆使。安打がなかった七回までに、小技を絡めて2点を挙げた。

 大会後半も履正社(大阪)―星稜(石川)、大阪桐蔭(大阪)―東海大相模(神奈川)といった好カードが続く。ただ一度の大舞台に選手、指導者のさまざまな思いが交錯する。