巨人6000勝の軌跡~4400勝 高橋由伸が開幕戦で満塁弾 巨人では王貞治以来21年ぶり

引用元:スポーツ報知
巨人6000勝の軌跡~4400勝 高橋由伸が開幕戦で満塁弾 巨人では王貞治以来21年ぶり

 巨人が6月19日の阪神との開幕戦(東京ドーム)に勝利し、球団通算6000勝を達成した。

 スポーツ報知では、「巨人6000勝の軌跡」と題して、1000勝から100勝ごとの節目勝利を、当時の記事で振り返る。

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 出た~っ!! ヨシノブの満塁弾。注目の開幕戦は、長嶋巨人自慢の打線が、野村阪神を粉々に打ち砕いた。阪神は今岡のソロで先手をとったが、元木が5回に逆転2ラン。8回には高橋の夢の開幕満塁アーチが飛び出し一挙6点のビッグイニング。頼りになるガルベスも3安打完投と、巨人はV奪回へ最高のスタートを切った。

◆巨人8―1阪神(1999年4月2日・東京ドーム)〔勝〕ガルベス1試合1勝〔敗〕藪1試合1敗▼〔本〕今岡1号(ガルベス・2回)、元木1号2ラン(藪・5回)、高橋1号満塁(福原・8回)

 快音とともに、大歓声が巻き起こる。打球の上がった角度も、手に残る感触も、すべてが完ぺきだ。右中間スタンド最上段。華やかな開幕戦は、高橋のど派手なグランドスラムで彩りを倍増させた。

 舞台は整っていた。3点をリードした8回1死満塁、自然に動き出したバットが、阪神のルーキー・福原の失投を見逃さない。カウント2―1、138キロのフォークボールが、ど真ん中に吸い込まれる。「あんまり落ちなかったですね」ジャストミートしたボールを冷静に振り返った。

 プレッシャーのかかる開幕戦も、高橋の前では135分の1の試合に変わっていた。朝食を食べないまま東京ドーム入り。好調だったオープン戦での生活パターンは、全く変わっていない。

 就寝時間が午前1時にずれただけで「出発時間から逆算して、ギリギリまで寝てます。朝飯は食べた方がいいんでしょうけど、変わったことをやっちゃだめなんですよ。緊張とか、そんなのはないですよ」言葉通りの活躍をバットで証明。「135分の135」と開幕戦を重要視していた野村阪神を粉砕した。

 まさに大暴れの活躍だった。2回無死、昨年は11打数無安打に抑え込まれていた阪神先発の藪から左前安打を放つと、5回にも中前安打。そして4打席目の満塁弾で4打数3安打4打点。

 「ボクのホームランより、元木さんの逆転ホームランが大きかった。流れを変えたというか、チームの目が覚めたっていう感じ。ホームランより、大事な試合に勝てたことのほうがうれしいです」浮かれた姿は、微塵(みじん)もなかった。

 “2年目のジンクス”という言葉を吹き飛ばすどころか、飛距離134メートルの今季1号で、パワーアップした姿を見せつけた。ストライクゾーンにきた球は、一球も見逃さない“積極打法”は今年も健在。

 「打撃の調子は悪くなかったし、感覚を確認したかったんです」と試合前の早出特打も直訴し、準備は万端だった。

 開幕戦の満塁アーチは、巨人では78年4月1日の阪神戦で、王貞治が放って以来、2人目の快挙になる。4月3日の開幕2戦目は、24歳の誕生日。

 「それは全然、関係ないですよ。ホームランを打って負けるより、ホームランを打てなくてもチームが勝てればいいんですけどね」謙きょな言葉とともに、99年の高橋が頼もしいスタートを切った。(小島信行)

 《記録メモ》高橋(巨)が自身3本目の満塁本塁打。開幕戦で満塁本塁打を打ったのは95年のミッチェル(ダ=初打席本塁打)以来、4年ぶりでプロ野球16本目になる。

 セ・リーグでは83年の衣笠(広)以来で、巨人では王が77、78年と2年連続してマークしたのに次いで2人目だ。 

 高橋はルーキーだった昨年、満塁のチャンスで16打数5安打の打率・313。新人では初めて満塁本塁打2本を放っており、満塁でも力を発揮している。

 早くも1試合3安打の固め打ちだが、昨年10打数以上対戦した投手で唯一、ノーヒットに抑えられていた藪(神)から2安打するなど、オープン戦(打率・344、6本塁打)の好調さをそのまま持続させ、公式戦に突入した。報知新聞社