春季高校野球沖縄大会、無観客で開幕…「申告敬遠」第1号、タイブレーク突入で3時間40分熱戦…担当記者が「見た」

引用元:スポーツ報知
春季高校野球沖縄大会、無観客で開幕…「申告敬遠」第1号、タイブレーク突入で3時間40分熱戦…担当記者が「見た」

◆春季沖縄大会 ▽1回戦 北谷6―5那覇=延長13回、13回からタイブレーク=(25日・沖縄セルラー那覇)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止や延期が相次いでいる中、高校野球の今年初の公式戦となる春季沖縄大会が25日に開幕。3球場で各3試合が行われた。当初の予定より5日遅らせ、無観客による開催。歓声や拍手のない高校野球をアマ野球キャップの浜木俊介記者が「見た」。

 大きな屋根が付いた沖縄セルラースタジアム那覇の内野席に響くのは、乾いた打球音だけ。しかし、ひたむきな高校球児に、観客の有無は関係なかった。待ちわびていた「春」。野球が出来る喜びを一球一球にぶつけた結果、北谷(ちゃたん)と那覇による開幕戦は、延長13回までもつれ込む素晴らしい試合になった。

 6―5でサヨナラ勝ちを収めた北谷の新垣元規主将(新3年)は「スタンドに人がいないので、ベンチの声がよく聞こえました。集中して自分のプレーが出来たと思います」と話した。敗れた那覇の銘苅航大主将(同)は「最初は応援がなく練習試合みたいに感じましたが、後半からは、いつもの大会の雰囲気で試合に入り込んでいました」。3時間40分に及ぶロングゲーム。自分も、無観客であることを忘れるようになっていた。

 入場門を閉ざしての試合。それでも、外野席後方に70人ほどの“観客”の姿があった。外野の芝生席の最上部に張られたネットの後ろに幅2メートルほどの通路があり、観戦スペースになっていた。「保護者の方もいたと思います。『声援はなくても気持ちは送られているから、いい姿を見せなさい』と選手には話しました」と温かな笑みを見せたのは、北谷・平良栄二監督(42)だ。

 3―3で迎えた9回裏の北谷の攻撃。1死二、三塁の場面で、投手がボールを投げることなく打者が一塁に向かう場面があった。中止になったセンバツ大会から導入することになっていた「申告敬遠」の第1号だった。13回からはタイブレークに。高校野球の新たな形が詰め込まれた試合でもあった。

 正常な開催に向け、無理に足を速める必要はない。それでも、激闘のあと声なきスタンドに目をやったときに思った。これだけの感動は、やはり皆で分かち合いたかった。 報知新聞社