加藤学園、夏こそ甲子園「行きたい気持ちは、どの高校より強くなった」センバツ中止、初舞台叶わず

引用元:スポーツ報知
加藤学園、夏こそ甲子園「行きたい気持ちは、どの高校より強くなった」センバツ中止、初舞台叶わず

 日本高野連の臨時運営委員会が11日、大阪市内で行われ、19日開幕予定だった春のセンバツ高校野球(甲子園)は史上初の中止が決まった。4日の時点では無観客での開催準備が進められる方針だったが、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、選手の健康を最優先して決断された。創部24年目で春夏通じて初の甲子園出場がかかっていた加藤学園の夢はかなわず。代表して取材に応じた勝又友則主将(新3年)は今夏選手権で甲子園への“カムバック”を誓った。

 1月24日の選考委員会で創部初の甲子園出場が決まってから47日。夢舞台への扉は、何とも無念な形で閉ざされた。全体練習終了後の午後6時過ぎ、米山学監督(41)はマネジャーも含めた全37人の部員を集合させ中止の事実を伝えた。勝又が「聞いた瞬間は何も考えられなかった」とナインの思いを代弁するように、誰もがぼう然と立ち尽くすしかなかった。指揮官は目を赤くしながら「苦渋の選択の中の結果。生徒と一緒に受け止めて前を向いていく」と声を震わせた。

 “逆風”に歯を食いしばって耐えていた。4日に一度は無観客試合として準備する方針が発表され、開催を信じて練習を続けてきた。他競技の高校選抜大会は軒並み中止が決まっており「今の事情で僕らだけ野球をしていいのか、とも言われていましたし、複雑な思いがあった」と米山監督。練習開始前には「今日は地震があった日。野球ができる事に感謝して、幸せを感じながらやろうぜ」と語りかけた。

 この日は紅白戦を実施。エース肥沼竣投手(新3年)を今季初めて左翼で先発させるなど本番を見据えたテストもしていたが、披露する機会はなくなってしまった。今後の目標はただ一つ。勝又が「夏の甲子園に行きたいとの気持ちは、どの高校より強くなった。この思い、悔しさをぶつけて練習からきっちりやっていく」と言えば、指揮官も「もっともっといいチームにして、もっともっと応援されるチームにしたい」と顔を上げた。

 学校は休校となっているため、12日以降の練習は未定。米山監督は「一度リセットしてあげた方がいいのかな」と寮生らを一度地元に帰すなどのリフレッシュも検討している。指揮官は囲み取材の終了間際、「現実を受け入れる強さを持たないといけない。誰のせいでもない」と自分に言い聞かせるようにつぶやいた。まだ、夏がある。試練は、乗り越えられる者にしかやってこない。(武藤 瑞基) 報知新聞社