<一貫の春>広島新庄、闘志に点火 「全員で勝ち上がる」(その1) /広島

 <センバツ2020>

 ◇6年ぶり2回目の出場

 第92回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の選考委員会が24日、大阪市北区の毎日新聞大阪本社オーバルホールで開かれ、広島新庄(荒木猛校長)が6年ぶり2回目の出場を決めた。昨秋の中国地区大会で4強入りし、優れた投打と走塁が評価された。センバツは3月13日に組み合わせ抽選会があり、同19日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。【手呂内朱梨、小山美砂、池田一生】

 中国山地に抱かれた北広島町の伝統校に、春の便りが届いた。広島新庄の校長室では24日、報道陣が見守るなか午後3時34分に卓上の電話が鳴った。右手で受話器を取った荒木校長は、選考委から届いた吉報に「ありがとうございます。謹んでお受けします」と応じた。グラウンドで出場決定を伝えると、ストライプの入るユニホーム姿で整列した選手たちは緩めた表情を引き締め、聖地・甲子園での活躍を胸に誓った。

 昨秋の県大会と中国地区大会は接戦続き。緊張の解けない試合を経験して自信をつけたが、中国地区大会は4強止まりだった。出場決定に喜びながらも、下志音主将(2年)はそうした戦歴を念頭に「中国地区大会はあと一歩のところで決勝進出を逃したので、以降はこの『一歩』を追求して練習してきた。優勝を目指し、一戦一戦を頑張っていきたい」と決意を新たにした。

 選考委はつながる打線と積極的な走塁を評価しており、中国地区大会の準決勝で本塁打を放った杉井秀斗選手(2年)は「自分の持ち味は長打力だが、進塁打も大切にしていきたい」。同じく選考委で「中国地区左腕ナンバーワン」と評された秋山恭平投手(1年)は「チームをけん引できるピッチングをしたい」と静かに闘志を燃やした。

 喜びにわく選手たちを見つめながら、迫田守昭監督(74)は「今日は朝から長い一日だった。選んでいただいたことに感謝したい」と安堵(あんど)の表情。32校で争われる本番を見据え「守備が良く、本番に強いチーム。食らいついたら離さない攻撃を見せたい」と続けた。

 芸北地方を治めた戦国武将の吉川元春を顕彰して地元有志らが開校した広島新庄は、元春の信条とされる「至誠一貫」などを校訓とする。チームは投手を中心とした守り勝つ野球を貫き、この春、ライバルの待つ甲子園での戴冠を目指す。

 ◇号外にニッコニコ 生徒や関係者に配布

 広島新庄のセンバツ出場決定を伝える毎日新聞の号外が24日夕、同校にさっそく届き、部活動や模擬試験などで登校していた生徒や関係者らに配られた。

 号外には、野球部員のさまざまな写真や最近の成績、学校のプロフィルや校歌などを掲載。軟式野球部2年の中原秀斗さん(17)は「同級生は全員知っているのですごくうれしい。力を発揮できるよう、みんなで応援したい」と喜んでいた。【堀雅充】