横田、阪神退団を報告 アカデミーコーチ就任要請も視力に不安 引退試合の秘話も告白

横田、阪神退団を報告 アカデミーコーチ就任要請も視力に不安 引退試合の秘話も告白

 脳腫瘍の闘病を経験し、現役引退した元阪神外野手の横田慎太郎氏(24)が16日、今年限りでの退団を明かした。球団からのセカンドキャリアの提案に感謝しつつも、第2の人生へ向けて、故郷の鹿児島で1人暮らしをスタート。奇跡のバックホームを披露した引退試合の舞台裏など“虎の横田”としてスポニチ読者にラストメッセージを送った。

 引退試合から2カ月以上が経って、今鹿児島で1人暮らしをしています。両親とも相談して、一度、誰の手も借りずに1人での生活にチャレンジしてみようと。朝は桜島を見ながらランニングして、ジムでトレーニングもしています。せっかく鍛えた筋肉が脂肪になるのも悔しくて。食事も自分で作ってます。

 1つ報告をしなければいけません。今年限りで阪神タイガースを退団することになりました。球団からはアカデミーコーチの話をいただいていて、すごく有り難かったのですが、視力にまだ不安があって、いくら子どもたちに教えると言っても仕事になると今は厳しいと思ってお断りしました。球団の方には“いつまでも待つから”と決断を2、3カ月待っていただいて本当に感謝しかありません。

 現段階では、次のことは何も決まっていません。でも、病気になったことは苦しく、辛いことでしたけど自分が経験したことを言葉で伝えていきたい。誰かを励まして、苦しんでいる人を助けたいんです。僕みたいに何か1つでも小さな目標を持っていけば、あのバックホームのような良いことがあるんだ、ということを自分の口で伝えていきたいです。

 9月26日のことは今振り返っても、鳥肌が立ちます。打球が飛んできた時、ボールは見えていませんでした。しかも一番嫌な球筋で…普段なら後逸したり顔に当たっているボール。一番ヤバい打球が来たと思ってたぐらいです。だから、あんな結果になるとは…。いつもより何十倍も体が動いて。鳴尾浜に毎日来てくれていたファンの方のために、試合で何か残したいと思っていて、そういう気持ちをずっと持っていたのを神様が見ていてくれていたのかな。どこかで“もういいや”と思っていたらあのプレーはできていません。

 自分1人の力でできたプレーでもありません。平田2軍監督に試合の3日前に“どこが守りたいんや”と聞かれてライトでお願いしますと答えたら“お前バカじゃないか?何を遠慮してるんや。お前が開幕スタメンを獲ったのはセンターだろ!あと2日センターで練習するんや!”と言われて…。僕も平田さんも泣いてました。あそこから始まったんです。ライトならあんな打球も飛んできていない。予定外の8回からの出場も“最後はピンチで緊張感を味わわせたい”という平田さんの思いで、試合が終わってから気づきました。

 最後に、12球団でも一番の人気球団のタイガースでプレーできて凄く嬉しいし、チームメート、ファン…いろんな方にサポートしていただきました。高校時代にずっと甲子園に行けなくて、ああいう舞台で野球をできたことは自分の財産です。今まで本当にありがとうございました!